鉄塔ができるまで

送電線工事を行うためには、工事用地を確保し、資機材を工事現場まで運ぶ仮設道路などが必要となります。

台風や地震などで鉄塔が倒れないように強固な基礎を作る必要があります。山岳地に建てられる大型鉄塔の基礎は深さが数十メートルになることもあります。

基礎と鉄塔部材を密接に連結させ、底面に据え付けてから、鉄筋を配筋します。

配筋された鉄筋の中に据え付けられた主柱剤の角度を調整する工程になります。ミリ単位の微調整が行われ、基礎工事の肝の部分になります。

型枠を設置し、コンクリートを流し込み（打設）ます。コンクリートミキサー車が鉄塔位置まで行くことができない場合は、ヘリコプターなどを利用してコンクリートを運びます。

コンクリートが固まったら、掘削した土を埋め戻し、締め固めます。

基礎工事の完成です。この後、鉄塔を組み立て、電線を架線し、送電線工事は完成となります。

移動式クレーン工法

大型クレーン車を用いて鉄塔を組み立てる工法で、作業効率、安全性ともに高い工法です。

台棒工法

鉄塔へ台棒（クレーン状のアーム）を取り付け、鉄塔を組み立てます。

クライミングクレーン工法

クレーン装置を鉄塔中心に据え付け、鉄塔の高さに応じて継ぎ足しながら、組み立てていきます。

簡易フロート型鉄塔組立装置工法

鉄塔にクレーンアームをつった状態で設置でき、狭い作業スペースでの工事が行える工法です。

ドラム場・エンジン場設営

電線を張る鉄塔間の片方には、電線を送り出す「ドラム場」が、もう一方には巻き取る「エンジン場」が設けられます。

延線工事

まずは鉄塔と鉄塔の間にヘリコプターやドローンにより細いロープを渡します。これをドラム場とエンジン場間で順次太いワイヤに引換え、最後に電線を引き延ばします。

緊線工事

引き延ばした電線を鉄塔に取り付けます。電線のたるみ具合をセンチ単位で合わせる作業は、匠の技が求められます。